RE100:再エネ100%をめざす企業グループ

また、国レベルではなく、世界では企業の取り組みも進んでいます。
「RE100」というグループのことを聞いたことがありますか?「RE100」は、2014年に設立された、100%再エネを使うことを目指すグローバル企業の集まりです。「全世界のエネルギー消費の半分は民間業務部門が占めている」という認識のもと、「世界のエネルギー市場への転換を加速し、低炭素経済への移行を支援するために、再エネ100%を実現するための取り組みを公開し、先導・推進していく」ことをミッションとしています。
RE100のアニュアルレポート2017によれば、RE100には現在87社が参加しており、うち18社が再エネ100%の目標を達成しています。米国のマイクロソフトやドイツのSAPなどは、すでに再エネ100%企業となっています。グーグルも、全世界での使用電力を、2017年中に再エネ100%に切り替えることになっています。
最近では、アップルもRE100に参加しました(2016年9月)。同社は、すでに米国、中国などの21カ国で再エネ100%の事業運営を実現しており、2015年の数字では「全世界で93%の再エネ活用率」です。自社の再エネ率をさらに引きあげていくだけではなく、製造パートナーや主要取引先にも、支援などを通じ、再エネ100%活用のコミットメント求めるようになりました。アップルへの部品供給事業者は大口の顧客を失っては大変ですから、懸命に取り組みを進めています。「アップル製品に関する生産活動において、2018年末までに15億kWh(キロワット時)の電力消費を全て再エネへシフト」することをめざしているのです。
しかし、大きく再エネにシフトしている企業が参加しているだけではありません。現状は、再エネの割合が0%、1桁のパーセントの企業も参加し、これから再エネを100%に向けて増やしていくと約束しているのです。
RE100のおこなった参加企業への調査によると、「参加の動機」は、1.電力コストの低減、2.自社の経費節減、3.持続可能性目標の達成、4.企業価値の向上となっていました。コスト削減の例として挙がっていたのは、米General Motorsで、「再エネ利用で年間500万ドル(5.7億円)の電力コスト削減に成功」とのことです。 さて、このRE100に参加している87社は、どこの国の企業が多いでしょう? その地域別の内訳は、欧州が50社、米国は32社、アジアが5社となっています。2017年のアニュアルレポートでは、アジア5社の中に日本企業は含まれていませんでしたが、2017年4月21日に株式会社リコーが参画を表明しました。
現在、世界全体の電力需要の約23%が再エネによって賄われています。再エネの設備コストは下落し続け、2016年には新規の電源開発に投下される投資額は610億ドルまで増えました。つまりその結果、2030年には、ほとんどの国で、石炭・石油よりも太陽光・風力の発電コストが安くなると言えます。

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