エネルギーの4割を占める「熱」への取り組みも必要

私は今、資源エネルギー庁の「エネルギー情勢懇談会」に委員として参加しています。この懇談会では2050年までの日本のエネルギー政策を考えます。そこでの議論でもそうなのですが、日本でもエネルギーの議論になると、必ずといってよいほど、ほぼ「電力」の話になります。「電力を何からつくるのか?」「原発は?」「再エネは?」「火力は?」といった具合です。
ゴア氏がお薦めする「10のできること」を見ても、①省エネ家電・電球、②エコドライブ(2つ)、③リサイクル製品の利用、④節水、⑤エコバッグ、⑥エアコンの設定温度、⑦植林、⑧意識啓発(2つ)と、エネルギーに関しては、ガソリンのほか、やはり電力に焦点が当てられていることがわかります。
しかし、このグラフを見てください。日本全体のエネルギーのうち、電力の占める割合は25%、4分の1なのです。

日本総最終エネルギー消費量の内訳(2015年度)

4分の1を占める電力を省エネ・再エネ化していくことで、CO2排出量を減らしていくことは非常に大事です。しかし、同時に、残りの4分の3にも取り組む必要があります。
全体の約半分を占めるのが輸送用燃料です。現在ガソリンが主流で、ゴア氏の「エコドライブ」はここでの省エネ提案です。そして、現在進行中の、「ガソリン車からEV(電気自動車)にシフトする」「その電気を再エネ電源にする」という、輸送用燃料自体を変えていく取り組みが今後重要となってくるでしょう。
そして、日本のエネルギーの4割を「熱」が占めていますのです。ご存じでしたか? グラフでは、「熱、都市ガス、コークス等」で3割弱ですが、「電力」の中にも、エアコンのように熱利用が含まれているため、全体では「エネルギーの4割を熱が占める」といわれています。温暖化対策としても、エネルギー対策としても、この「熱エネルギー」への取り組みも同時に進めていく必要があります。
家庭で「熱エネルギー」を使っているのは、「暖房」「給湯」などです。家庭で消費されるエネルギーの約5割は、お風呂・台所への給湯や室内暖房に使われているそうです。節電したり太陽光発電を載せたりして、「電力」に取り組むことも大変重要ですが、同時に、「残りの半分」を占める「熱エネルギー」への取り組みを進めましょう!
部屋の暖房やお風呂・台所への給湯に使われている家庭の熱エネルギーを減らし、家庭からの二酸化炭素の排出を減らすために、ゴア氏にならって、「10のできること」を考えてみました。

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